1:2019/11/26(火) 23:59:29.64ID:xlAQoadu9 アメリカの製薬会社BioMarin Pharmaceuticalが、低身長症の治療につながる可能性が高い新薬を開発しました。この新薬をめぐり、アメリカでは低身長症の当事者の間で活発な議論が交わされています。
A controversial new treatment promises to make little people taller
https://www.statnews.com/2019/11/18/a-new-treatment-promises-to-make-little-people-taller-is-it-an-insult-to-dwarf-pride/
低身長症の最も一般的な理由である軟骨無形成症は、成長軟骨と呼ばれる部分の異常により低身長や四肢の短さ、指の短さが引き起こされる遺伝子疾患です。
京都大学の研究者らにより、「C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)というたんぱく質を合成する遺伝子を欠くことが軟骨無形成症の理由となっている」ことが突き止められていますが、CNPは体内で1分と経たずに失効してしまうため、医薬品として投与しても効果が見込めませんでした。そこで、BioMarinの研究者らはCNPと同様の働きをする上に失効するまでの時間が長いCNP39というたんぱく質を開発。CNP39から作られた新薬のボソリチドは、5〜14歳の軟骨無形成症の子ども35人を対象とした臨床試験により、身長が伸びる速度が一般的な子どもとほとんど同じになるという目覚ましい効果を示しました。
BioMarinの主張によると、ボソリチドは低身長症の治療を目的とした薬ではなく、脊椎の異常や睡眠時無呼吸、難聴など、あくまで「軟骨無形成症に伴う合併症の予防」を目的としたものだとのこと。しかし、ボソリチドが生涯にわたる障害の合併症に効果があることを証明するには、何十年間もかかります。そこで、BioMarinは軟骨無形成症の子どもを対象とした臨床試験で身長が正常に伸びることを確認し、医薬品としてのボソリチドの効果を証明する方法をとっています。
これに反発しているのが、長年にわたり低身長症に対する差別や偏見の払拭に尽力してきた非営利団体「Little People of America(LPA)」のメンバーを中心とした一部の当事者です。「Dwarf pride」をスローガンに掲げるLPAは、軟骨無形成症に伴う低身長を「治療を要する障害ではなく、尊重されるべき個性」と捉えており、そのアイデンティティを治療の対象とするという考えは受け入れがたいものでした。
講演活動などを行っている軟骨無形成症の当事者ベッキー・カラン・ケクラ氏は、ボソリチドの開発について「低身長症のコミュニティを排除するための試みだと、人々は感じています。これが何かの役に立つと言う人もいますが、誰にそれが分かるんでしょうか?」と話しています。
ケクラ氏をはじめとする低身長症の当事者らが持つBioMarinへの拒否感を決定的なものとしたのが、BioMarinが2019年からLPAのスポンサーとなり、13万ドル(約1415万円)をLPAに寄付した時のことです。LPAの理事会がこのことを発表すると、LPAのFacebookページには非難の声が多数寄せられました。これを受けて、LPAが2019年7月にサンフランシスコで緊急会議を開催した時も、開場となったホテルのホールはLPAメンバーらの怒りの声で埋め尽くされたとのこと。
LPAメンバーのモニーク・コンリー氏はその時のことを振り返って、「LPAのパンフレットのスポンサー欄にBioMarinのロゴを見つけた時は、平手打ちされたような衝撃を受けました。LPAは貧困者のための慈善団体ではありません。ですから、BioMarinからのお金など必要ありませんでした」と話しました。
こうした声に対し、LPAの代表者として会議に出席したマーク・ポヴィネッリ氏は「すぐに軟骨無形成症の子どもがボソリチドを使用できるようになる世界がやってきます。その時のために、LPAのメンバーにはどんなに不愉快でもボソリチドについて知る機会を持ってもらう必要があります」と涙ながらに訴えたとのことです。
ボソリチドの開発に反発する当事者がいる一方で、「自分が子どものころにボソリチドがあれば」と歓迎する声もあります。
続きはソースで
https://gigazine.net/news/20191126-achondroplasia-dwarf-pride/
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