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なぜゴキブリは頭が潰れても死なないのか。
静岡大学農学部の稲垣栄洋教授は「ゴキブリの体は、人間のように大きな脳が情報を処理するのではなく、複数の小さな脳や神経中枢を体の節目に分散させている。体を動かす命令系統が分散しているため、頭を潰したぐらいでは動きを止めない」という――。(第3回/全3回)
(省略)
ゴキブリは嫌われ者である。見つかれば、悲鳴を上げられて、丸めた新聞紙で叩かれる。
別に人間に危害を加えるわけでもなければ、毒を持っているわけでもない。それでも、多くの人はゴキブリが嫌いだ。
この世からゴキブリがいなくなってほしいと、だいたいの人が願っている。また、今日も新聞紙を丸めてゴキブリを叩き続けるのだ。
ゴキブリと人間が共存できるはずがない。神さまはどうして、こんな嫌われる生き物をお創りになったのだろう。
よく知られていることだが、ゴキブリは三億年以上も前の古生代から、今とほとんど変わらない姿で地球に存在していた。
ホモ・サピエンスと呼ばれる人類が現れたのは、およそ二〇万年前のことだから、人類はゴキブリの一〇〇〇分の一にも満たない時間しか地球上に存在していないことになる。ゴキブリは、人類よりも、ずっと先輩なのだ。
三億年前というが、それは恐竜も存在していなかった昔の話である。
それから、地球には大きな環境の変化が何度もあった。そのたびに、多くの生物が絶滅する「大絶滅」と呼ばれる事件が起こったのである。
■2度の大量絶滅期を生き残る
ゴキブリの誕生は古生代の石炭紀(三億五〇〇〇万~二億九九八万年前)であると言われる。
第2章でも紹介したように、たとえば、石炭紀の後のペルム紀(二億九九〇〇万~二億五一〇〇万年前)には、地球史上最も激しい火山活動とそれに伴う大規模な気象変動がおきた結果、史上最大の大絶滅が起こっている。
何と、地球の生き物の九〇パーセント以上が絶滅したというから、すごい。この大絶滅で、かつて古生代の海に繁栄していた三葉虫が絶滅したと言われている。
また、この大絶滅を生き残った恐竜の祖先が、後に活躍することになる。
古生代に続く中生代三畳紀(二億五一九〇万~二億一三〇万年前)にも、大絶滅があった。
このときに、爬虫類(はちゅうるい)の多くが絶滅したと言われている。
また、二度の大絶滅で、生き残った恐竜がは爬虫類にかわって繁栄していくことになるのだ。
その後地球に君臨した恐竜も、白亜紀(一億四五〇〇万~六六〇〇万年前)の終わりにすべて絶滅をした。小惑星が地球に衝突したことが理由であると言われている。
こうして、地球では繰り返し多くの生き物が滅び、また、新たな生き物たちが進化を遂げていった。
この大絶滅という大事件をゴキブリは生き抜いてきたのである。それが「三億年前から存在していた」ということなのだ。もう、これは当たり前のことではない。すごいことだ。それが人間の家に出没するゴキブリである。
■頭がなくなっても、残った胴体だけで逃げる
ゴキブリの能力はすごい。もし、ゴキブリが人間と同じ大きさだったとしたら、どうだろう。
走る速度は、時速三〇〇キロメートルになる。さらに瞬発力に優れ、わずか〇・五で危険を察知し、迫りくる敵を紙一重で交わす。
忍者のように音もなくわずかな隙間に忍び込むこともできるし、スパイダーマンのように壁や天井を進むこともできる。
もちろん、空を飛ぶこともできるし、不死身と称される肉体を持つ。まさに、無敵のスーパーヒーローだ。
スリッパで叩こうとしても、ゴキブリはいち早く危険を察知して逃げてしまう。
ゴキブリのお尻には、細かい毛が無数に生えた尾葉と呼ばれる感覚器官が伸びている。この尾葉の毛で、わずかな気流の変化を感じとるのである。
しかも昆虫の体は、人間のように大きな脳が情報を処理するのではなく、複数の小さな脳や神経中枢を体の節目に分散させて、体の各部位が条件反射的に反応できるようになっている。
そのため、危険に対して極めて敏速に行為することができるのだ。
不気味なことにスリッパで叩かれて頭がなくなっても、ゴキブリは残った胴体だけで逃げる。体を動かす命令系統が分散しているから、可能なのである。
おそらくは、こうした能力によって、ゴキブリは危険を察知し、危機を乗り越え、何度も大絶滅の時代を乗り越えてきたのだ。(以下ソース)
12/1(金) 15:17配信
頭が潰れているのに、なぜ胴体だけで動けるのか…ゴキブリの「不死身の肉体」がもつ恐るべき仕組み
https://news.yahoo.co.jp/articles/39842cd35bca1636da5490d80274bf6a1177ce6a
じょーじ
刃牙「先生」
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